マッチアップ分析
マッチアップ分析
生きていく上で、人との関わりを切り離すことはできません。そして、この人との関わりによって、さまざまな問題や悩みが生じます。
- 意図が正しく伝わられない (自分 ⇒ 相手、相手 ⇒ 自分)
- 人間関係がうまくいかない
- 交渉 ・ 営業がうまくいかない
- チームの生産性が悪い
- プロジェクトがスムーズに進まない
これらの原因の一つは、自分と相手との関係性 (エネルギーの相性) にあるといえます。
マッチアップ分析は、こうした人と人との相性や関わり方を分析したものです。ここでいう相性とは 「好き」 「嫌い」 といった個人的感情ではなく、人がもつエネルギーの相互関係を指しており、人と人の間に生じる 「お互いのエネルギーが保たれている」 「お互いのエネルギーが引きあっている」 「相手のエネルギーを自分が引っ張っている」 「自分のエネルギーを相手に引っ張られる」 という4つの相互関係で表されます。
互いのエネルギーの関係性を知ることで、相手とどういった接し方をすればいいのか、どのような関わり方がベストなのかがわかり、適切な対応と距離感を保つことができるのです。それによって、信頼関係が強固になり、スムーズなリレーションを図れるようになります。
プラスエネルギーが発生する場合には、さらによい関係を構築するのに役立ち、マイナスエネルギーが発生する場合には、マイナスを緩和する手段と注意点がわかります。
さまざまな関係性の中からいくつかを例に挙げ、マッチアップ分析について説明します。
種の関係性
ビジネスやプライベートにおいて、良いきっかけを与えてくれたり、新しいことにチャレンジする種まきをしてくれる関係性です。さまざまな根回しやサポート役を担ってくれるありがたい関係性ですので、常に感謝の気持ちを忘れず、相手に言葉や態度で示すことで、よいスパイラルができあがります。
【種】 の関係性の相手と、ビジネスやプライベートで関わる際は、以下のような行為、行動で、自分をサポートしてくれます。
(1)【種】 の関係性の相手をビジネスパートナーに選ぶことで、ビジネスの発展、上昇のために相手が種まき、サポートなどの後押しをしてくれる
(2)【種】 の関係性の部下、社員をもつと、こちらの仕事がスムーズに進むよう根回ししてくれたり、サポートなどを行ってくれる
(3)【種】 の関係性の結婚相手を選ぶと、男性であれば内助の功のような妻、女性であれば縁の下の力持ちのような夫として、相手が自分をサポートしてくれる
決定の関係性
相手からの言動に強く影響され、ハンドルを握られているような関係性です。良い意味でも悪い意味でも、相手の影響力が強いため、相手にどのような感情をもたれているか、どのような関わり方をされるかによって、自分の精神状態が大きく変わります。相手に悪意をもたれるとマイナス面に作用する可能性があるので、良い関係性を築くことが重要です。
【決定】 の関係性の相手から受ける影響を考え、以下のような接し方を心がけると、物事がスムーズに運びやすくなります。
(1)【決定】の関係性の人から、指摘 ・ アドバイスを受けると、他の関係性の人がアドバイスを行うよりも、聞き入れやすい
(2)【決定】 の関係性の人が誉めたり、愛ある言葉を伝えることで、他の関係性の人よりも強く幸福感を感じ、励まされ、自信をもち、前向きになりやすい
(3)【決定】 の関係性の人から、交渉や営業をかけられると、断れず、受け入れてしまいやすい
人気の関係性
相手の行動や存在がとても魅力的に感じられ、強く惹かれる関係性です。基本的に良い関係性といえますが、 「あばたもえくぼ」 という状態になり、表面の好ましい部分だけに目がいってしまうこともあります。ついつい相手を甘やかしてしまったり、盲目的にならないよう、注意も必要です。
相手から見て、自分が 【人気】 の関係性という状態が良く、その場合には以下のような関わり方をすると、良い成果が得られます。
(1)相手から見て自分が 【人気】 の関係性の場合、営業や交渉事がまとまりやすかったり、クレームなどの対応も、簡単な詫びだけで解決してしまうことが多い
(2)部下から見て自分が 【人気】 の関係性の場合、指示や伝達が通りやすく、尊敬や信頼を得ることも容易である
(3)結婚相手から見て自分が 【人気】 の関係性の場合、こちらの意見や考えを理解してもらいやすく、夫婦間でのコミュニケーションが円滑である
経済の関係性
ビジネスやお金に関わることを進める際に、結果や成果を上げることが可能になる関係性です。経済活動に関することであれば、この関係性の相手と進めていくことで、他の関係性の相手よりも、よい高い結果を出すことができます。ただし、相手から見て自分が 【経済】 の場合は、悪意をもたれると、金づるとされ、思わぬ散財をかけられたり、破産に追い込まれるなどの可能性もあります。信頼関係を維持し、相手をしっかりと見極めることが重要です。
【経済】 の関係性の相手を選ぶことで、以下のような結果が考えられます。
(1)【経済】 の関係性の人をビジネスパートナーに選ぶことで、仕事、社会性、地位、収入といった部分で、高い成果をもたらす
(2)【経済】 の関係性の社員を多くもつことで、業績が伸びたり、会社の発展に貢献してくれる
(3)【経済】 の関係性の結婚相手を選ぶと、経済的な恩恵を受けることが多い
精算の関係性
一緒に考える企画や事柄など、両者間で進めようとすることがうまく進まなかったり、途中で壊れてしまう関係性です。相手に悪意がなくとも、相手の都合でキャンセルされてしまうことも多く、二人だけで何かをなすことは難しいといえます。
【精算】 の関係性の場合は、両者の間に他の人を介在させる (他の人を挟む) といった、以下のような行動をすることで、状況を好転させることが可能です。
(1)ビジネスパートナーが 【精算】 の関係性の場合は、お互いにとって良い関係の人を間に置くことで、ビジネスを行うようにする
(2)上司と部下、または社員と経営者の間で 【精算】 の関係性になる場合は、直接やり取りをせず、良い関係の人を介して、間接的に物事を進めていく
(3)夫婦間、親子間で 【精算】 の関係性になる場合は、良い関係性の他の家族を間に挟み、ワンクッション置くなどの工夫をする